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井上真利 / シンショウセイブツ

2022.10.11[Mon]-29[Sta]​

今展は、私自身の未知の領域に踏み込む感覚が、水中生物に対する感覚にリンクした事により構成されました。

深海の古代魚や、視界の悪い沼に生息する巨大魚、獰猛な魚など、身動きも取りづらい水中に踏み込むにはいくつもの恐怖を感じます。

だけど、そんな未知の領域には期待や発見、感動など、心を大きく動かすものがあります。

 

私自身の未知の領域として、今回は薪窯にて焼成し、自然の釉薬

(穴窯焼成にて、薪を勢いよく燃やした際に発生する灰が作品に降りかかり、

土と反応し釉となる)の力を借りた作品も初めて展観いたします。

 

今まで電気窯にて焼成を行っていた私には“陶を焼く”という感覚が薄く、

作品に対して“焼物”という言葉がはまらない、なにか踏み込めていないような感覚でした。

ですが、勤め先の協力のもと、今回は作品を“焼く”ことができました。

薪窯は私にとって、結果が予測できない恐怖と、失敗の恐れで踏み込めない未知の領域でした。だけど、知ることで表現に新たな幅と意欲をもらいました。

 

力強い炎の痕跡を感じる自然の釉のグラデーションや

その炎に耐えられず崩れた箇所も、意図的には現れない表現です。

 

今展では、皆様にもさらなるエネルギーを感じ取っていただけることを確信しております。

井上真利 Mari INOUE

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井上真利/Snapshot-起こりうるの記録-

2025.6.9[Mon]-6.28[Sat]​

ものを作るとき、そこには自分や、他の誰かを投影することが多々あります

今展では、主に自身と我が子に関するイメージが強いです

「子どもができると作品は変わる」

そんな言葉を散々耳にし、わたしはどうなるのかと期待と不安が入り交じる気持ちでした

 

生まれてからは世界が激変しました

狭まる視野と行動範囲

その狭い中に張り巡らせる意識は今までの数十倍…

ふらふらになりながら生活する中でも、駆け巡っている意識(今展におけるねずみ)は、様々な発見に到達させてくれます

そんな発見や情景を写真に残すように展示しています

 

搬入・展示を終え、一呼吸おき、改めて作品を思い返すと

今の自分は満たされているのだなと感じました

それは決して良い意味だけではなく、危機感をも感じました

今そこに気付くことができたわたしはどうすべきか

今回の展示は今しかできない

これからもっと強くわたしらしい世界を築くことができるような

そんな可能性を感じました

井上真利 Mari INOUE

© 2020 GALLERY FUKUZUMI

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